【フィールドワーク通信】43. 石鏡のおりあわせ

【フィールドワーク通信】では、調査などで見かけた漁村の一場面を書き残しています。砕けた内容が多いですが、漁村の暮らしが伝わればうれしいです。
フィールドワークは新型コロナウイルスの感染予防対策のもと、相手の許可をとって実施しています。

2022.4.4(月)

日に日に春めき、鳥羽ではアワビ漁の口開けも近づいてきました。

石鏡では毎年4月4日「おりあわせ」という海女さんの年中行事がおこなわれ、アワビ漁に向けて海上安全や大漁が祈願されます。

年中行事の詳細は昨年の記事をご覧ください。

雨だった昨年とはうって変わり、風が強いものの暖かい1日でした。

はじめに、旧堤防から海に向かって祈る海女さんたち。

自分が潜る浜から拾ってきた小石、米、小豆、ぼた餅、干し柿などを供え、酒を回しかけます。
アワビを採るためのイソノミで枡をカンカンカンと叩き、海に手を合わせます。

大きいぼた餅を作った海女さんは「大きいアワビを採れるように」と笑っていました。

次は漁協の建物に設えた祭壇にお参りします。

昨年より一層徹底した新型コロナウイルス対策が図られ、海女さんたちは一方通行の順路を、互いに距離を空けて進んでいきます。

祭壇へのお参りも「2〜3人ずつやで」と互いに声をかけあって制限していました。

そんな中「大漁できるように」と、祭壇でカンカンカンカン!とすごい勢いでノミを枡に打ちつける海女さんもいて、皆で笑う様子に自分まで頬が緩みます。

撮影はお邪魔にならないよう心がけていましたが、「記念写真撮って」と声をかけていただくこともあり嬉しかったです。

新型コロナウイルスや磯焼けなど、暗い話題が多いなか、今年の春も石鏡では賑やかに年中行事が執り行われました。
いつものように大きな声で言葉を交わし、笑い合う、そんな雰囲気に触れてなんだかほっとした気持ちになりました。

今年も、海女・海士の皆さんが安全に操業できますように。

(吉村真衣)

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