【活動報告】「三重大学オープンキャンパス2022」に参加しました

8月7日に開催された三重大学人文学部のオープンキャンパスの一環として、センターの活動内容や鳥羽志摩の海女漁を紹介する展示をおこないました。

会場全体のようす。

昭和の海女や、私たちが撮影した近年の海女の写真を展示し、海女漁の歴史や民俗、フィールドワークの楽しさについて紹介しました。

民具に触れながら、海女さんの仕事をリアルに伝えるコーナーも設けました。

今回の展示では、鳥羽市立海の博物館からたくさんの資料をご提供いただきました。この場を借りて篤くお礼申し上げます。

以下では、当日参加した学生スタッフの体験記を紹介します。

(吉村真衣)


 

私は、今回のオープンキャンパスに学生スタッフとして参加するまで、実は海女さんの使う民具に触れたことはありませんでした。

事前の準備段階でイシイカリ(海女さんが海底深く潜るために使う石製のおもり)が想像していたよりも重いことや、磯桶の実際の大きさを体感することができ、非常に興奮したと同時に、海女さんがこれを使って漁をしていたことを考えると、海女さんに関して今まで知識として持っていただけよりももっと身近に感じられるようになりました。

海女研究センターのブースには、高校生の子はもちろん、保護者の方がひとりで立ち寄ってくださることもありました。

展示されたパネルを見たり、フィールドワークの写真のスライドショーを見たりすることで、過去・現在の海女漁や年中行事の様子を知り、海女さんの息遣いを感じてもらえたと思います。

私は、ブース内で民具や映像資料の担当をし、来場者の方にお声がけをして解説などをしていました。

来場者の方々は、実際にアワビの貝殻を手に取って観察してみたり、イソノミを使ったアワビのはがし方に驚いてくれたり、イシイカリを持ち上げようとしてみたり、海女漁やその民具に触れてたくさんの新鮮な感覚を得ていかれたかと思います。

当日私が担当した中で、最も印象に残っている出来事は、とある高校生の女の子にイソノミを使ったアワビの採り方を紹介した時でした。

民具のスペースには大小二種類のイソノミが置いてあり、私が大きい方のイソノミで解説をしていると、彼女は「小さい方のノミは何が違うんですか?」と質問をしてくれました。

私は「アワビのいる場所に応じて使い分けています」と実演を交えて説明をしました。民具に触れて、話を聞いて理解するだけでなく、興味を持って質問をしてくれたことが何よりも嬉しく思いました。

今回、オープンキャンパスの学生スタッフとして参加したことで、より海女漁や海女さんについて身近に感じることができました。

実際に使われていた民具や、海女さんの活動の様子を見て、少しでも海女漁に興味のある学生が増えたら喜ばしいことだなと感じました。

(人文学部文化学科3年 西川きらら)