【フィールドワーク通信】17. ヒジキ漁(1)

【フィールドワーク通信】では、調査などで見かけた漁村の一場面を書き残しています。砕けた内容が多いですが、漁村の暮らしが伝わればうれしいです。
フィールドワークは新型コロナウイルスの感染予防対策のもと、相手の許可をとって実施しています。

2021/4/25(土)

3月からシーズンが始まっていたヒジキ漁。ようやく見学に行くことができました。
場所は石鏡です。

朝8時頃から、住民のみなさんが浜に集まり準備開始。
女性陣は軽トラで、男性陣は船外機(と地元で呼ばれる小型の動力船)でそれぞれ勇ましくヒジキ漁の現場に駆けつけます。
漁協前には栄養ドリンクの箱があり、この作業がいかに重労働かを物語っていました。

岩場にびっしり生えるヒジキをウエットスーツ姿の女性陣が刈り、

男性陣がスカリ(と呼ばれる網状の袋)にそれを詰め、船外機に運び込むという役割分担です。

女性陣のメインは60〜70代の海女さんたち。足場が悪く、波も押し寄せるところに踏ん張って、鎌でヒジキを刈っていきます。
真剣だけど、和気あいあい。
離れたところにいる私まで「丁寧にやれよー!」「スカリよこせー!」、波に押されて「あれーっ!」など、常に海女さんたちの声が響いてきました。

シーズン終盤に近い今日はヒジキが随分伸びており、小柄な海女さんの背丈に近いものもありました。
海水を吸ったヒジキは本当に重く、スカリ1つで20kgほどあるそうです。
足場の悪さやヒジキの重さから、怪我人が出る年も少なくないのだとか。

「いいのがとれましたかな」と声をかけてくれた大婆さん。
私が見学者だと知ると、昔の話を教えてくれました。
昭和期には、このヒジキ漁は各家の15歳から54歳までの男女が全員参加する、いわゆる「出合い」の漁だったそうです。
ご覧の通り、ヒジキ漁はとにかく人手が必要です。
人口減少・流出にともない、55歳以上の方も続投するようになったり、町外から家族や親戚を呼んだりするようになったとのこと。現在は任意参加です。
ウエットスーツ導入前は薄い磯着1枚で、寒い日は本当に大変だったと振り返っていました。

大婆さんはその後、他の大婆さんたちと合流し浜で何やら拾いもの。
聞くと、みんなが刈ったヒジキの一部が浜に流れ着くので、それを集めているのだそうです。

大婆さんたちが干したヒジキ。海藻のクズや小石などのゴミ取りを一緒にさせてもらいました。

ヒジキ刈りにかかった時間は4時間ほど。
船に積み込まれた大量のヒジキは、この後干場に移動します。
そこから先は、別の記事で紹介したいと思います。

(吉村真衣)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です