【フィールドワーク通信】28. 片田の浜清め(2)
【フィールドワーク通信】では、調査などで見かけた漁村の一場面を書き残しています。砕けた内容が多いですが、漁村の暮らしが伝わればうれしいです。
フィールドワークは新型コロナウイルスの感染予防対策のもと、相手の許可をとって実施しています。
2021/7/22
前回の記事はこちら。
神事が終わると、海女は自身の神さんの膳を手にし、エビス貝に神饌の白餅(米粉をぬるま湯で溶いたもの)と洗米を入れます。
波打ち際に小石を3つ置き、その上に白餅と洗米を乗せてお神酒を注ぎ、海上安全と豊漁を祈ります。
八大竜王、あいがみさん、麦崎、稲荷さん、浅間さん、自身が海女漁に出る浜や堤防にもお供えします。
素早く動く海女さんの後を追うのが大変でした。
竹で作った桶は、9人の海女が出漁したと伝わる麦崎の岩場から竜宮井戸に向って流して冥福を祈ります。
志摩町片田地区も昨年から磯焼けが進んでいます。
「笑っとらなしゃーない。自然のことやから」とおっしゃる海女さんの言葉から「自然との共生」の厳しさを知りました。
帰り際、片田の空にも大きな魚が泳いでいました。
(﨑川由美子)
人物の写真はすべて地元の方から掲載許可をいただいています。