【フィールドワーク通信】84. 片田の浜きよめ

【フィールドワーク通信】では、調査などで見かけた漁村の一場面を書き残しています。砕けた内容が多いですが、漁村の暮らしが伝わればうれしいです。
フィールドワークは感染症予防対策のもと、相手の許可をとって実施しています。

7月18日(旧暦6月13日)、今年も午前6時半から志摩町片田の大里浜(おざとのはま)で「浜清め(浜遊びともいわれる)」が執り行われました。

波打ち際に祭壇を組み、八雲神社の宮司さんをお迎えして海上安全と豊漁を祈ります。

神饌の白餅と竹製の小さな桶。小さな桶は神事の後、麦崎燈台下の岩場から流します。

波打ち際に供えられた3つの小石。

岩場から竜宮井戸に向かって竹製の桶を流し、海女の冥福を祈ります(2023年7月30日撮影)。

早朝から肌を突き刺すような日差しの中、素早く動く海女さんたちを追いかけて麦崎燈台下の岩場へ急ぎましたが、竹製の桶を流す場面は撮影できませんでした(残念)。

でも今年も燈台近くの小さな祠にお参りする海女の若いご夫婦にお会いできました。

「海の状態が悪い」と聞くのはとても辛いのですが、毎年撮影に行かせていただくことで海女さんたちと顔なじみになれて、「朝早くからご苦労さんやな」と気さくに声をかけていただけるのは、ほんとうに嬉しいことです。ありがとうございました。

(﨑川由美子)