【フィールドワーク通信】45. 和具・示現山観音堂の花まつり(2)

【フィールドワーク通信】では、調査などで見かけた漁村の一場面を書き残しています。砕けた内容が多いですが、漁村の暮らしが伝わればうれしいです。
フィールドワークは新型コロナウイルスの感染予防対策のもと、相手の許可をとって実施しています。

前回の記事はこちら

参拝者は甘茶をいただいた後、境内の思い思いの場所にお参りします。

境内にはこの石をなでると病気が治るといわれる「霊石」があり、霊石をなでて祈る姿が多くみられました。

境内で久しぶりに会った人たちが、お互いの近況報告をして盛り上がっていました。

子安地蔵堂にお参りする人にお話を伺いました。

「地蔵さんがかけている赤い前垂れを枕の下に敷いて寝ると子宝に恵まれる」と言われるそうです。

「10年前、そうして生まれたという人がお参りに来たことがあってな。私も子どものことで何か悩み事があると、ここへ来てお参りをするんさ」と教えてくださいました。

因みに、地蔵さんの赤い前垂れを家に持ち帰る時は、新しいものを用意して地蔵さんにかけていくそうです。

そして、「この地蔵さんに私の悩みごとを聞いてもらって感謝しとるし、長い長い間、この観音堂を守ってきてくれた人たちのおかげで今がある。今年から山下さん夫婦が守ってくれることになってほっとしている。私らも協力して守っていかなな」と続けられました。

1844(天保15)年、5人の村人によって寄進された子安地蔵です。

この日、用意していた60人分のお札と紅白饅頭がお昼前には無くなってしまうほどの多くの人がお参りに訪れました。

 

観音堂へ行く際目印にした、海女さんの看板です。

(﨑川由美子)

人物の写真や氏名はすべて地元の方から掲載許可をいただいています。

コメントを残す