【フィールドワーク通信】1. 相差の若手海女さん

【フィールドワーク通信】では、調査などで見かけた漁村の一場面を書き残しています。砕けた内容が多いですが、漁村の暮らしが伝わればうれしいです。

2020/10/22(木)

新型コロナウイルスの影響で、今年度はまったくフィールドワークができていません。しかし感染予防対策を徹底し、ようやく少しずつ漁村に行けるようになってきました。

今日は鳥羽市相差(おうさつ)町で、30〜40代の若手海女さんたちにインタビューをしました。

相差町といえば、女性の願いを何でも叶えてくれるという「石神さん」や、本物の海女さんに会える「海女小屋体験」などで人気の観光地でもあります。海水浴場もありますよ。

そんな相差は、市内で最も多い海女数(2017年時点で100人)を誇ります。

相差の若手海女さんには、相差生まれで海女を継いだ人や、結婚を機に市外から引っ越してきて海女を始めた人がいます。インタビューした限りでは、子どもが幼稚園や小学校に入って手がかからなくなったタイミングで海女を始める人が多いそうです。

これは若い海女さんのいる他の漁村でも同じ傾向があって、皆さん口を揃えてこうおっしゃいます。

「時間があって、目の前に海があって、周りの人がみんな潜っとれば自然と潜りたくなる」

この「自然と潜りたくなる」という言葉がとても印象的です。海女漁存続の鍵の一つはここにあるんじゃないかな、という気がしています。「自然と潜りたくなる」その感覚、そのしかけを知りたくてインタビューを続けています。

 


女性の願いを叶えてくれるという「石神さん」。古くから海女さんの信仰を集めていたことがその由来だそうです。

(吉村真衣)

フィールドワークは新型コロナウイルスの感染予防対策のもと、相手の許可をとって実施しています。

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