【フィールドワーク通信】6. ナマコ漁
【フィールドワーク通信】では、調査などで見かけた漁村の一場面を書き残しています。砕けた内容が多いですが、漁村の暮らしが伝わればうれしいです。
フィールドワークは新型コロナウイルスの感染予防対策のもと、相手の許可をとって実施しています。
2020/12/2(水)
ナマコ漁の口開けを見学しに行きました。
鳥羽の冬磯では10月からサザエ漁が解禁され、11月末〜12月初旬にナマコ漁が解禁されます。
海女小屋を訪ねる前に市場へ寄ると、1本目の漁を終えた海女さんたちがナマコを陸へあげつつ、「海からあがったばっかやで寒いわ〜!」と走っていきました。海女小屋のたき火で体を暖め、2本目の漁に備えます。
今日お世話になる海女小屋の近くに到着したところ、耳に届く波の音。
あれ、こんなによく聞こえたっけ?
通勤中に伊勢の海を見て「今日は波が穏やかだな」と思っていた私。
その海女小屋近くの漁場では波が高く、岩場に波が打ち付けられて白い飛沫が散っていました。
少し場所が違うだけで、海のコンディションがこんなに異なるのだと実感します。
こちらが同じ浜の、本日の様子。
穏やかな日の波音がザン…ザン…だとすると、今日はドバシャアアン!ズゴォォォ!という感じでした。
こんな波でも出漁する海女さんたち。
70分すると、どっさり獲物を抱えて戻ってきます。
ナマコは海水温が低くならないと姿を見せません。
年々海水温が高くなっているため、ナマコを採るのが大変になっているそうです。今日は岩場の陰を覗き込んでナマコを探したとのこと。
海女さんの仕事には、地球環境問題がダイレクトに影響してきます。海水温上昇、磯焼け(海底の砂漠化)、漂着ゴミなど……決して他人事ではありません。私たちに何ができるか、常に問いかけねばと気が引き締まります。
(吉村真衣)