【フィールドワーク通信】10. 海の博物館の「菅島展」

【フィールドワーク通信】では、調査などで見かけた漁村の一場面を書き残しています。砕けた内容が多いですが、漁村の暮らしが伝わればうれしいです。
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2021/1/ 13(水)

海の博物館では昨年大晦日から今年3月31日まで企画展「菅島~弓祭り・しろんご祭りにつどう島」が開催されています。(詳細はこちら

菅島は、鳥羽の港の東約3キロに位置し、島は東西に広く、南北に狭い細長い島です。島の総面積4.52㎢、周囲(海岸線の長さ)13キロ、地形は最高峰237㍍の大山を中心に、サカデン山、ボシ山など200㍍級の山々が連なっており、集落は島の東北岸に密集、海岸線から根村谷、中村谷、東谷という3つの谷に沿って延びています。古くは海女漁や一本釣り漁が島の漁業の中心でしたが、近年はノリやワカメの養殖業も盛んに行われています。また、秋から冬にかけては北西の風がよく吹き、漁港周辺ではアラメやワカメ、アジ、ハギなどの海藻や魚介を干す素朴な風景がみられます。(海の博物館HPより)

菅島では年中行事も多く、1月の「弓祭り」や7月の「しろんご祭り」、8月の「じんかん船」など歴史が古く個性的な行事があります。また近年では、島の名所を小学生が案内する「島っ子ガイド」が注目されています。


2019年8月に見学したじんかん船。お盆行事の1つで、精霊船を作り沖へ送り出します。

菅島展では島の漁業、海女、年中行事、名所・旧跡などに関する豊富な資料が展示されていて、見応えたっぷりです。

今日は菅島の方が来場してくださり、展示を見ながら島のお話を色々お聞きしました。なかでも長く足を止めたのは集落の古写真の前。

菅島には3つの谷筋があり、それに沿って民家が並んでいます。
「普段は浜に船を揚げたが、台風の前は流されないように道まで揚げていた。縦一列に船が並んでいた」
「道沿いに段々状に田畑があったが、分家によって家屋が増えたことで徐々に減っていった」
「海岸沿いの道路がなかった頃は、隣の集落に行くために大きく回り道をする必要があり大変だった」
1つの資料から、戦後から高度経済成長期にかけてまちが変化したこと、現在ではそこから更に姿を変えつつあることがひしひしと実感されました。

ぜひ菅島展で、小さな離島に根づいたユニークな歴史文化や刻々と変化していく地域社会の姿に触れてみてください。

(吉村真衣)

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