【フィールドワーク通信】9. 写真展の準備(3)

【フィールドワーク通信】では、調査などで見かけた漁村の一場面を書き残しています。砕けた内容が多いですが、漁村の暮らしが伝わればうれしいです。
フィールドワークは新型コロナウイルスの感染予防対策のもと、相手の許可をとって実施しています。

2021/1/ 13(水)

写真展を来月に控え、いよいよ準備が本格化してきました。現地の関係者の皆様と随時相談しながら、新型コロナウイルスの感染予防対策も進めています。

鳥羽志摩の漁村は1年を通してとても多くの年中行事があります。今回の写真展でも、石鏡の年中行事のパネルをたくさん用意しています。

ただ、パネルに写る年中行事のうちいくつかは、既に廃止されてしまっています。漁村の少子高齢化が進むなか、年中行事の簡素化、廃止が相次いでいるのです。

今日は石鏡の方にお願いして、今ではおこなわれていない年中行事についてお話を聞きに行きました。
漁村の年中行事のうち、最も注力されるものの1つが正月行事です。石鏡でも12月13日の「辻札書の神事」から始まり、大晦日の「おちね廻り」、元旦の「明寅の神事」、2日の「蜜柑さがらしの行事」、3日の「入渡しの神事」、11日の「八幡神社の行事」、そして18日の伊雑宮や青峰山へのお参りまで、長期間にわたっていくつもの行事がありました。
※年中行事の表記は現地でいただいた資料にもとづいています。他の媒体によっては異なる呼び方や表記方法になっている場合があります。

このうち「おちね廻り」「明寅の神事」「蜜柑さがらしの行事」「入渡しの神事」は既に廃止されており、「八幡神社の行事」も簡略化が進んでいます。とくに今年は新型コロナウイルスの影響で「八幡神社の行事」もほとんど中止になったとのこと。廃止されたものについては、石鏡の方であっても手順をうろ覚えで、残っている文字資料に頼ったり、当時行事に中心的に携わっていた高齢の方を探し出す必要があったり……という状態でした。

鳥羽志摩にいる研究者の方々とよく言うのが「今聞いておかないと二度と聞けないお話がたくさんある」ということです。今回の訪問では、それを痛感しました。

写真展の場では、石鏡の歴史文化を写真の記憶とともに掘り起こし、しっかりと記録せねばと決意を新たにしました。

現地で色々と聞き回るなかで、展示予定の写真を住民の皆さんにお見せしたところ「これは◯◯やな」「こんな祭りあったなあ」「楽しみにしとるでな」と明るく声をかけていただきました。

感染予防対策含め、ぬかりのないように引き続き準備をがんばります。


写真展会場のすぐ隣は海です。


翌日も訪れると、アラメで煮て色をつけたヒジキが潮の香りをつよく漂わせて干されていました。

(吉村真衣)

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