【フィールドワーク通信】12. 石鏡の写真展

【フィールドワーク通信】では、調査などで見かけた漁村の一場面を書き残しています。砕けた内容が多いですが、漁村の暮らしが伝わればうれしいです。
フィールドワークは新型コロナウイルスの感染予防対策のもと、相手の許可をとって実施しています。

2021/2/3〜9

以前からお知らせしていた通り、鳥羽市石鏡町にて三重大学伊勢志摩サテライト海女研究センター・鳥羽市立海の博物館共催「浜の遠声(とおごえ) 石鏡の暮らし写真展」を開催しました。

新型コロナウイルス感染予防対策のため大々的な告知はしませんでしたが、連日住民のみなさんで賑わう写真展となりました。

石鏡を歩くと、よく海女さんたちが大きな声でおしゃべりしています。遠くにいてもその声が響いてくるくらい賑やかです。
石鏡といえばまっさきにその光景が思い浮かぶため、浜から響いてくる声という意味でこの写真展タイトルをつけました。
古い浜の写真から過去の海女さん漁師さんの声が遠く響いてくる、その声まで拾い上げたいという思いもこめています。

そんな石鏡での写真展は、やっぱりとても賑やかでした。

写真展は3日からと告知したにも関わらず、「知っとる知っとる」と言いながら1日の設営中に入場して写真を眺めていく住民のみなさんのマイペースさに、さっそく石鏡の洗礼を受けました。
早め早めに動く石鏡のライフスタイルを「石鏡時間」と呼ぶ方もいらっしゃいます。

初日からのリピーターや、なかには皆勤賞も数名いてうれしい限りでした。

今回は石鏡にお住まいの地域おこし協力隊の上田 茉利子さん、佐藤 千裕さんにも協力していただき、写真にかかわるエピソードの聞き取りをおこないました。

また期間中の2日間は感染予防対策をした上で学生も来場し、聞き取りに挑戦。

とくにこちらの景観の写真では、
コンクリートで埋め立てられる前の浜が美しく豊かだったお話、
狭い堤防道路にひっきりなしに波がかぶって避けるのが大変だったお話(濡れたくないから、波が引いた一瞬のスキをついて走り抜けたそうです)、
子どもの頃は船が通ったあとの白波に飛び込む、近くの小島まで泳げれば一人前というワイルドな遊び方をしていたお話、
土葬だった時代のお葬式の思い出話、などなど本当にたくさんのお話が飛び出してきました。

石鏡を支えてきた海女漁にかかわるお話もたくさんありました。
まるで競争のように勢いよく海女船を漕ぎ出していったお話、
ウエットスーツがない時代の海がどれだけ冷たかったかというお話、
伊豆や紀州の出稼ぎでは、過酷な労働の末鼓膜を破ってしまった方が何人もいらっしゃいました。

今でも海女漁の前後には「大漁(だいりょう)しなさい」「大漁したか」という応酬がきかれます。
それだけ石鏡にとって海女漁は大きなものなのだと実感します。

今回は、地域おこし協力隊のお二人が呼びかけてくださったこともあり、住民のみなさんのご自宅からたくさんの古写真や民具などをご提供いただきました。

集まった資料を眺める様子。左端の男性は今回の常連さんでした!

次はこの資料を活用した事業を目指しています。

石鏡町内会、鳥羽磯部漁協石鏡支所、地域おこし協力隊のお二人、会期中にわたしたちの面倒をみてくれ、絶えず来場してくれた住民のみなさま、
開催にこぎつけるまで力を貸してくださったみなさま、改めて心からお礼申し上げます。

(吉村真衣)

 

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