【活動報告】鳥羽高校「鳥羽学」のみなさんと交流しました

鳥羽高校の「鳥羽学」という授業に参加する生徒のみなさんが海の博物館を訪れ、海女研究センターから教員の吉村も参加しました。

「鳥羽学」とは鳥羽高校と鳥羽市役所が連携した取り組みで、地域の魅力や課題を発見し、その発信や解決をしていく実践的な授業です。

昨年度は複数のチームに分かれ、フィールドワークを含む1年間の地域学習をおこない、漁村のVR動画、地域の魅力発信動画などを作成したそうです。

現在は魅力や課題を発見するための事前学習の時期。
海の博物館で、地元鳥羽の海や海女さんについて学びました。

海の博物館 平賀館長から海女展示コーナーにて解説を受けます。

海女の歴史文化をひととおり紹介したあと、こんなお言葉が。

海女さんは長い間、海の幸を採りつづけるための工夫を重ねてきた。
それでも壁はある。海の環境が変わり、海藻や貝類など海の資源が減っている。海女さんも減っている。
海女さんがいつまでも潜れるように、これからのことを考えていかなければいけない。

厳しい資源管理のルールを通して、資源を守り長い歴史を生き抜いてきた海女漁。
その過程には数々の工夫があった一方で、自然を相手にし、社会経済環境からの影響も大きく受ける生業だからこそ、工夫を重ねても壁がある。
これまで海女さんはいくつもの壁を乗り越えながら海と向き合ってきたのでしょうし、現在の海女さん、将来の海女さんがその営みを続けるためのお手伝いをしていきたい、そんな気持ちになりとても心に残りました。

現役海女さんによる解説も。生の声を聞ける貴重な機会です。

吉村からは、海女さんの暮らしについて少しお話ししました。

海女さんは、海女漁だけで暮らしているわけではない。田畑も耕すし、パートやアルバイトをすることもあるし、自営業と兼ねる人もいます。
多様な生業を組み合わせて、海とともに地域社会で生きている。
社会には自分たちが思うよりもっと多様な生き方がある。
海女さんの暮らしから、そんなことに気づいてみてほしい。

これは三重大学の授業で学生に伝えていることでもあります。

今回の訪問が漁村や海女漁の理解を深める、身近な環境問題と向き合う、生き方の多様性に気づく、そんな機会になればうれしいです。

「鳥羽学」にかかわる生徒のみなさんが何を見て何を感じ、今後どんな活動をしていくのか、とても楽しみです。

(吉村真衣)

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