【フィールドワーク通信】20. 波切の海女漁(1)
【フィールドワーク通信】では、調査などで見かけた漁村の一場面を書き残しています。砕けた内容が多いですが、漁村の暮らしが伝わればうれしいです。
フィールドワークは新型コロナウイルスの感染予防対策のもと、相手の許可をとって実施しています。
2021/5/26
志摩市大王町波切の海女漁は、3月1日から始まりました。
「天候が悪くて海女漁に出たのは、3月は6日間、4月は3日間、5月は今日でまだ6日目です」とおっしゃる浜口さんが海女頭をつとめる、カチド海女の漁を撮影しました。
鳥羽志摩では、磯メガネの曇り止めにヨモギを使う地域が多いです。
しかしこの波切では珍しく、フキの葉です。サッとあぶって、素手でちょっと揉んで使います。
タンポ(獲物を入れたり、海でつかまって休んだりする浮き輪のような道具)にあぶったフキの葉を挟み、海にも持っていきます。
手前の黄色いタンポにはカギノミやスンボウ(アワビのサイズを測る定規のようなもの)も装着されているのが見えます。
毎朝、浜口さんが漁場の浜を見回って、出漁するか否かを決めます。
この日は、10時から宝門(ほも)の浜で漁をすることに決まりました。
浜口さんのグループは6人、浜まで揃って行きます。
浜に到着すると各自、それぞれ得意とする漁場に泳いで向かいます。
そこから先は、別の記事で紹介します。
(﨑川由美子)