【フィールドワーク通信】34. ナキリデマルシェ

【フィールドワーク通信】では、調査などで見かけた漁村の一場面を書き残しています。砕けた内容が多いですが、漁村の暮らしが伝わればうれしいです。
フィールドワークは新型コロナウイルスの感染予防対策のもと、相手の許可をとって実施しています。

近年鳥羽志摩の漁村では、地元の店舗や第一次産業従事者が出店する朝市やマルシェが時折催され、地域の賑わいの場となっています。

11月28日には志摩市大王町波切で「ナキリデマルシェ」が開催されました。

地元の活性化を目指す「(一社)じゃまテラス」が主催で、2019年からスタートしたイベントです。
海辺からは少し離れた、古くから波切の中心街だったエリアに移動販売車が集まり、地元の野菜や鮮魚・干物、お弁当、スイーツ、雑貨など多様なラインナップが並べられてきました。

月1開催ですが、今年は天候や新型コロナウイルスの影響で中止が続き、10月に念願の再開となったそうです。

到着すると、楽しそうにお買い物をする住民の皆さんの姿が。
ご高齢の方から、小さな子ども連れの家族まで幅広いお客さんがいたことが印象的でした。

主催者いわく「地元のみんながコーヒー片手にゆっくりおしゃべりできるような場を作りたかった」とのこと。
経済活性化だけでなく、コミュニケーションを通した気持ちの活性化も目指したそうです。
あたりを見回すと、方方で人の集まりができ、わいわいと話し声で満ちていました。

主催者のご厚意で、2月に開催予定の古写真展のお知らせもしました。
海の博物館が所蔵する古写真に関心を寄せていただいただけでなく、「家に古い写真があるから持っていく」というお申し出もたくさん。
貴重な情報収集、資料収集の場となりそうで、うれしさとともに身が引き締まりました。

ちゃっかり自分もお買い物を楽しみ、いざ帰路へ。

家屋が連なる街路の先にとつぜん海があらわれ、胸がすっとするような感覚がありました。

海辺では散歩する人がちらほら。
澄んで底まで透けた海を見て、海女さんたちがよく言う「陸から海を見ていても(アワビがいる)海底のシマのことばかり考えている」というせりふを思い出しました。

(吉村真衣)

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