【フィールドワーク通信】49. 2022年のヒジキ漁(2)
【フィールドワーク通信】では、調査などで見かけた漁村の一場面を書き残しています。砕けた内容が多いですが、漁村の暮らしが伝わればうれしいです。
フィールドワークは新型コロナウイルスの感染予防対策のもと、相手の許可をとって実施しています
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ヒジキの刈り取りと同時並行で、干す作業もおこなわれます。
石鏡では、近くの「鳥羽展望台」の駐車場を借りてヒジキが干されます。
季節柄観光客が多く、興味深そうに作業をながめる人もいます。
前日に干され、乾いた状態のヒジキ。
袋づめして回収し、今日刈られたヒジキが運ばれてくるのに備えます。
まずはこのように運びやすい量にまとめられ、
その後1か所に集約されたあと、袋に詰められていきます。
しばらくすると今日採ったヒジキが持ち込まれ、広げやすいように点々と袋が下ろされます。
さっそく一面に広げられます。
こうしてまず片面を乾かし、翌日ひっくり返してもう片面を乾かします。
こちらが翌日のようすです。
刈る作業は前日で終わったため、海女さんも合流して全員でヒジキを裏返しました。
裏返すときに、他の海藻のクズなどの異物も取り除き、各自の手前に置いた洗面器に入れていきます。
早朝から働きづめの皆さん、この段階になるとやはり全身が疲労でガタガタになってくるそうです。しかし、汗を流しながら片時も気を抜かずに作業が進められます。
袋詰めされて出荷を待つヒジキたち。この形になれば作業終了です。
これらのハードな作業が早朝から夕方まで1回あたり4〜5日、それが1シーズンあたり2〜3回続きます。
石鏡のヒジキ漁を見学するたび、皆さんの気迫に呑まれそうになります。
チームワークと体力、気力、そして熟練した技能があって、品質のよい美味しいヒジキが私たちの食卓に届けられるのだと実感します。
次の記事では相差のヒジキ漁を紹介します。
(吉村真衣)