【フィールドワーク通信】58. 安乗の海女漁(1)

【フィールドワーク通信】では、調査などで見かけた漁村の一場面を書き残しています。砕けた内容が多いですが、漁村の暮らしが伝わればうれしいです。
フィールドワークは新型コロナウイルスの感染予防対策のもと、相手の許可をとって実施しています。

一日の漁を終えて海女小屋で休息する海女さんを訪ねました。

海女小屋の前には、海女さんが海女小屋で暖をとるための焚き木が積み上げられています。

海女小屋の中では、6人の海女さんが、思い思いに帰り支度をしていました。

「炭火で焼くとふっくらしておいしいんさ。香ばしいしな」と、暖を取りながら茄子も焼く海女さん。夕飯のおかずにするそうです。

季節によってはサツマイモや固くなったきんこ(干し芋)を焼くこともあります。

こちらの海女さんは、立てた角木に帽子をかぶせて乾かしながら、おやつにするあられ餅を炭火で煎ります。
あられ餅とは、餅を長さ2 – 3センチ、縦横5ミリ程度の長さに切ったもの。

家で餅をつく時は「ウマクナール」を入れるそうです。

ウマクナールとは伊勢志摩地域では昔から餅つきに欠かせない調味料だそうですが、初めて聞いたそのネーミングに興味津々。

煎ったあられは新聞紙にくるんで、皆におすそ分けします。

次の日、午後の漁を撮影させていただきました。

安乗地区では、午前と午後の2回潜りますが、午前の操業を「ヒトクラ」、午後の操業を「フタクラ」と言います。

フタクラ目に向かう海女さん。
ウェットスーツの上にシャツを着ます。白いシャツや帽子はサメ除けになるといわれているそうです。

続きは次の記事で紹介します。

(﨑川由美子)

人物の写真は地元の方から掲載許可をいただいています。