【フィールドワーク通信】64. 海の七草粥

【フィールドワーク通信】では、調査などで見かけた漁村の一場面を書き残しています。砕けた内容が多いですが、漁村の暮らしが伝わればうれしいです。
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2023年1月7日、鳥羽市立海の博物館にて海の七草粥がふるまわれました。

ヒジキ、フノリ、ウミトラノオ、クロノリ、ホンダワラ、ワカメと青菜からなる七草をお粥の中に入れたものです。

博物館の平賀館長が、スリコギと包丁を持ち「なずな七草 唐土の鳥が 日本の土地へ 渡らぬさきに かきやかしてごちゃごちゃ」と唱えながら七草を刻みます。

七草が入ったお粥が来館者にふるまわれました。

海の七草粥は、鳥羽市国崎町で伝えられてきた「ナナクサタタキ」がヒントになっているそうです。

ナナクサタタキでは、1月6日の夜に一家の主が地元の海から採った海藻4〜5種と青菜を前述の文句を唱えながら刻み、神棚や恵比寿様、船、浜などにお供えして1年の幸せをお祈りします。

磯の風味がいっぱいのお粥で、1年のスタートを切ることができました。

(吉村真衣)

参考資料:海の博物館「海の七草粥」