フィールドワーク通信(詳細)Fieldwork
海女研究センタースタッフによるフィールドワークの紹介です
【フィールドワーク通信】87. 『鳥羽志摩の現役海女の聞き取り集 未来につなぐ海女たちの声』
【フィールドワーク通信】では、調査などで見かけた漁村の一場面を書き残しています。砕けた内容が多いですが、漁村の暮らしが伝わればうれしいです。フィールドワークは感染症予防対策のもと、相手の許可をとって実施しています。
2025/5/12(月)
海女研究センターでは2025年3月、公益財団法人東海水産科学協会、鳥羽市立海の博物館との共催で、『鳥羽志摩の現役海女の聞き取り集 未来につなぐ海女たちの声』を発刊しました。
2021年から3年間、鳥羽志摩の16の漁村から32名の海女さんにお集まりいただいたトークイベントの記録集です。
2025年4月、ご協力への感謝として、完成した記録集をイベントに参加いただいた海女さんたちにお配りしました。
海女さんたちはお変わりなくお元気で、記録集を受け取ると笑顔を返してくれました。
このころはちょうどテングサの採集シーズンで、地域のあちこちで天日干しされている様子が見られました。
志摩地方はテングサの収穫と加工が重要な産業の一部となっており、海女さんたちは漁業の合間を縫ってテングサを採取し、天日干ししていきます。
テングサは、太陽の光を浴びて乾いていくにつれ、だんだんと色が変わっていきます。
最初は深い赤紫色だったものが、日に日に薄くなり、やがて淡い黄金色へ。
テングサが色を変えていくように、地域の伝統や文化も日々の営みを通じて形を変えながら受け継がれていきます。
記録集はその一部を切り取り、海女さんたちの営みを次の世代へと繋げる役割を果たしています。
本冊子は海の博物館にて販売しています。
(菅沼文乃)
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