フィールドワーク通信(詳細)Fieldwork
海女研究センタースタッフによるフィールドワークの紹介です
【フィールドワーク通信】90. 志摩和具の潮かけ祭り
2026年7月14日、志摩市で行われた潮かけ祭りを見学しました。
潮かけ祭りは、海の女神・市岐島姫命(いちきしまひめ)が和具の八雲神社から沖合の大島にある祠へ里帰りすることを祝う行事です。海女や漁師たちが海の安全と大漁を祈願し、船同士や人同士で豪快に海水を掛け合う、全国でも珍しい勇壮な祭りとして知られています。毎年旧暦の6月1日に行われ、鎌倉時代初期から続くとの伝承があります。
朝10時前に漁港へ行くと、すでに多くの人々が集まっていました。港に並ぶ漁船には高い竿が掲げられ、祭りの始まりを待つ独特の高揚感が漂っていました。漁港には、海水を入れたコンテナも数多く用意されていました。このあと、この潮を掛け合うのだろうと思うと、祭りの豪快さがすでに伝わってくるようでした。

(写真:祭りの始まりを待つ港の船)
神事では巫女による舞が奉納され、港は厳かな雰囲気に包まれていました。

(写真:神前に奉納された巫女の舞)
暑い日差しの中、地域の人々は次々と船に乗り込んでいきます。やがて、御神体を乗せた「まんど船」を先頭に、船団が大島へ向けて出港しました。大島へは上陸せず、海上から大島を拝み、海の安全と大漁を祈願するのだといいます。

(写真:大島へ向かう船団)
列をなして港を離れていく漁船を見送りながら、この祭りが海とともに生きる人々の祈りと誇りに支えられてきた行事であることを感じました。高い竿を掲げた船が海へ向かって進んでいく姿は、和具の人々と海との深いつながりを象徴しているようにも見えました。
(菅沼文乃)
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