【フィールドワーク通信】73. 磯部の御田植祭
6月24日、皇大神宮別宮、伊雑宮の御料田(ごりょうでん)で御田植祭が執り行われました。当日は土曜日と重なったこともあり、大勢の参拝者や見物客で賑わいました。
境内で参拝を終えた安乗の海女さんたちと出会いました。
御田植祭の日には「七本鮫」がそろって伊雑宮に参拝すると言われ、志摩市や鳥羽市の海女さんは操業を休んで伊雑宮にお参りする風習がありました。
しかし近年、揃ってお参りするのは、安乗の海女さんたちだけになってしまいました。
海女漁の様子をお聞きすると、「天気が悪くて漁に出られん日の方が多い」とのお答え。その上「潜ってもアラメも少なくなったし、アワビも獲れん。神さんには、漁の安全と大漁満足をお願いしました。」とのことでした。
受けたお札は、三重外湾漁協安乗事業所の神棚に上げられます。
4年ぶりの竹取神事に、男衆もカメラマンも気合いが入ります。
竹取り神事が終わると、ゴンバウチワの忌竹(いみだけ)と泥だらけの身体を「野川」で洗います。
この後忌竹は、小さく割り、希望する人たちに頒布され、舟玉さんや田、各家の神棚などにまつられます。
「今年の役人(やくびと)の子どもたちもようやってくれました」と、満面の笑みの御田植祭の谷崎師匠(向かって左)と竹取神事に参加された村田さん。
この後、役人(やくびと)たちは伊雑宮へ踊り込み、境内で「千秋楽の舞い」が奉納されました。
今年の当番区である恵利原地区の区長さんのあいさつ、「嬉しくて、嬉しくて、嬉しくてたまりません。」の言葉が忘れられません。
(﨑川由美子)
過去の御田植祭の記事はこちら
【フィールドワーク通信】24. 磯部の御田植祭(1)(2021年)
【フィールドワーク通信】25. 磯部の御田植祭(2)(2021年)
【フィールドワーク通信】55. 磯部の御田植祭(1)(2022年)
【フィールドワーク通信】56. 磯部の御田植祭(2)(2022年)