【フィールドワーク通信】3. 海女さんトークショー
【フィールドワーク通信】では、調査などで見かけた漁村の一場面を書き残しています。砕けた内容が多いですが、漁村の暮らしが伝わればうれしいです。
フィールドワークは新型コロナウイルスの感染予防対策のもと、相手の許可をとって実施しています。
2020/11/10(火)
今日は鳥羽市内のホテルで、修学旅行生を対象とした海女さんトークショーがありました。
中堅海女さんと若手海女さんが漁について、私物の仕事道具やアワビの殻、写真なども使いながら説明してくださいました。
磯着姿で「スンボウ」というアワビの大きさを測る道具を実演する海女さん。マスクにはまじないの「ドーマンセーマン」がおしゃれに刺繍されていました。
質問タイムでは、「海女さんをやっていてよかったこと」「息を長くするコツ」など質問が積極的に投げかけられ、海女さんたちが実体験をもとに一つひとつ答えていました。
なかには「なぜ酸素ボンベを使わないのか」という鋭い質問もあり、海女さんから多様な話を引き出す生徒たちの様子はとても刺激的でした。
海女さんと直接お話しする醍醐味は、教科書やウェブサイトでは知れない「生の体験」が聞けることにあるなあと実感します。
ウエットスーツの話題になったときは「夏は暑いから、海に入るとウエットスーツの中に海水をいれる。スポーツドリンクも必須」。
なぜ海女になったかという話題では「祖母も母も海女、近所の人も海女、海女になるのが当たり前だった」。
前者からは「伝統的な海女漁」イメージからすぐには想像できないリアルな労働の様子、後者からは漁村独自の社会構造や価値観が伝わります。
さらに今日の学校は、普段の環境学習や修学旅行で得た知識をもとに持続可能性というテーマにも迫っていました。
みなさんもぜひ、鳥羽志摩に来て海女さんとお話ししてみてください。
※この海女さんトークショーは、鳥羽市観光協会(http://www.toba.gr.jp/)の事業です。
(吉村真衣)