【フィールドワーク通信】16. 海女と漁村に関する授業がはじまりました

【フィールドワーク通信】では、調査などで見かけた漁村の一場面を書き残しています。砕けた内容が多いですが、漁村の暮らしが伝わればうれしいです。
フィールドワークは新型コロナウイルスの感染予防対策のもと、相手の許可をとって実施しています。

今回は番外編として、フィールドワークの成果を活かした三重大学での教育活動について紹介します。

三重大学では、教養科目や人文学部の専門科目などで、海女や漁村に関する授業をいくつか開講しています。

海女や漁村の歴史、出稼ぎ、観光、現在の暮らしなどを多面的に、歴史学や社会学の立場から伝えています。
過去には経済学や藻類学、建築学などの先生をお呼びして幅広い内容で授業をしたこともあります。

最近漁村を歩いているときによく言われるのが、「学生さんに海女のこと教えたって」「この村(または島)のこと皆に伝えたって」。

若い学生が海女漁や沿岸漁業、漁村に対する理解を深め、それをさらに広く宣伝したり、学生ならではの意見を伝えたりすることで、地元に新しい風が吹くのでは、というご期待が含まれた言葉です。

この言葉にどう応えられるだろう、と悩みながら毎年授業内容を考えています。

私の授業ではフィールドワーク中に撮影した写真や動画をよく紹介しますが、「海女漁は単なる『伝統文化』ではなく、現在の暮らしとつながった生業だということがよくわかった」「これまで知らなかった漁村の歴史や現状を知ることができた」などの反響があります。
授業を通して漁村に関心をもち、実際に鳥羽志摩を訪れた学生もいます。

また、学生同士で感想や意見を積極的に交換し、漁業や漁村だけでなく日本の地域社会の将来について考える姿もあり、授業を通して学生の視野が広がっていくのを実感します。

今年度も地元の皆さんのご厚意で集められた写真や動画、インタビューのデータをもとに授業をつくり、
ときには地元でフィールドワークやお手伝いをしながら、漁村のこれまでとこれからを学生と一緒に考え、行動していきたいと思っています。

※学生と一緒に実施してきたフィールドワークについては、過去の漁村での写真展に関わる記事をご参照ください。

(吉村真衣)

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