フィールドワーク通信(詳細)Fieldwork
海女研究センタースタッフによるフィールドワークの紹介です
【フィールドワーク通信】89. 磯部の御田植祭
2026年6月24日、志摩市磯部町の伊雑宮で行われた御田植祭を見学しました。御田植祭は、古くから地域に伝わる神事で、「磯部の御神田(おみた)」の名で国の重要無形民俗文化財にも指定されています。
当日、伊雑宮の境内や神田の周囲には多くの見学者が集まっていました。色鮮やかな装束に身を包んだ役人(やくびと)たちが参拝に向かう姿からは、神事の厳かな雰囲気が伝わってきました。
なかでも印象的だったのは、「竹取神事」です。男性たちが勢いよく田に入り、泥をかき回す姿はとても勇壮でした。これは田植えの前に田を整える代掻きの意味を持つそうです。
その後、「太一」と書かれたゴンバウチワが引き倒されると、御田植の神事が始まりました。役人たちの謡(うたい)に合わせ、早乙女たちが田に苗を植えていく所作は、静かで美しいものでした。
(写真:謡に合わせて苗を植える早乙女たち)
もう一つ心に残ったのは、地域の海女さんの参拝です。地域の海女を代表して参列された方は、お札をいただいてきたと話されていました。御田植祭は稲作に関わる神事ですが、海に生きる海女さんたちの祈りも重なっていることに、志摩の暮らしと信仰の広がりを感じました。
(写真:地域の海女さんが参拝し、いただいてきたお札)
今回の見学を通して、伊雑宮の御田植祭は、稲作、信仰、地域の暮らしが結びついた大切な文化なのだと実感しました。神事を担う人々、見守る人々、そして地域の信仰に関わる人々の姿から、この祭りが今も地域の中で大切に受け継がれていることが伝わってきました。
(菅沼文乃)
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