フィールドワーク通信(詳細)Fieldwork
海女研究センタースタッフによるフィールドワークの紹介です
【フィールドワーク通信】91. 安乗の人形芝居
2026年9月12日・13日、安乗神社では、地域の中学生や保存会による人形芝居が奉納されました。舞台で操られる人形の姿を、多くの観客が見守りました。
志摩市阿児町安乗に伝わる「安乗の人形芝居」は、安乗神社の祭礼に奉納される神賑わいの芸能で、重要無形民俗文化財に指定されています。現在も海女さんが暮らすこの地域で、世代を超えて受け継がれてきました。その起源については、16世紀、戦国武将の九鬼嘉隆が戦勝祈願の成就のお礼として村人たちに芸能を許したことに始まり、幾多の変遷を経て現在の人形芝居へとつながったとも伝えられています。
私たちが見学した12日は、2026年に改修された真新しい舞台で、まず「三番叟」が披露されました。三番叟は、豊漁や五穀豊穣、海上安全などを祈って舞われる、おめでたい演目です。

(写真:安乗神社奉納三番叟)
続いて、東海中学校郷土芸能クラブの生徒たちによる人形芝居が上演されました。また、旧安乗中学校文楽クラブや東海中学校郷土芸能クラブのOBも舞台に立ち、地域で受け継がれてきた演目を披露しました。

(写真:東海中学校郷土芸能クラブによる「鎌倉三大記 三浦之助母別れの段」)
舞台上で操られる人形たちの華やかで繊細な動きに、満員の客席から次々と掛け声が飛び、惜しみない拍手が送られます。見せ場では「ハナ」と呼ばれるおひねりも客席から舞台へと飛び交い、会場の盛り上がりはさらに高まります。舞台から客席へ、客席から再び舞台へと熱気が跳ね返るような、演じる人と見る人が一体となったにぎやかな空間が広がっていました。中学生からOBまで、さまざまな世代が人形芝居に関わる姿からは、安乗の地域文化が脈々と受け継がれていることが感じられました。

(写真:安乗人形芝居保存会による「戎舞」)
(菅沼文乃)
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